開業に当たっては立地条件の検討を行い周辺の診療圏調査も行いますが、近くにクリニックが開業したというだけでは患者さんは集まりません。今や都市部にはクリニックが多数存在し、患者さんはクリニックを選ぶ立場にあります。また、患者さんの多数は高齢者が占めています。高齢者は概ね保守的な傾向がありますので、今通っているクリニックを切り替えるということに抵抗感を持っているようです。現在通っているクリニックに不満があれば切り替える可能性は高いと言えますが、そのようなことがなければ簡単にクリニックを切り替えることはしないと思われます。
医療機関としての特徴、町内会(老人会)での医療講演、各種行事への参加、日常診療での笑顔(スタッフを含め)など様々な工夫が必要といえます。
今、国は医療機関の役割分担を求めています。大病院は入院医療中心となるのに対し、診療所(とりわけ無床診療所)は外来医療、在宅医療の中心となります。
また、ひとつのクリニックで医療をすべて完結できるとは限りません。
近隣の医療機関、調剤薬局、訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所と連携することにより地域の医療に大きな貢献を果たすことが可能になります。特に内科系・外科系のクリニックは高齢者主体の医療提供を実施することになりますので、後方ベッドの確保や他科標榜の診療所との連携が患者サービスの向上につながります。
競合の時代から連携の時代にシフトしつつあります。